Phase109 『東映生田スタジオ』⑳ 【(H)衣装~食堂~制作ルーム】PartⅠ


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上:『仮面ライダーアマゾン』第16話より
これまで何度か触れてきたが、その全景が、『仮面ライダーアマゾン』第16話「ガランダーの東京火の海作戦!!」劇中、「市山火薬工場」として使用された『東映生田スタジオ』。
今回、取り上げるのは、1階に衣裳と食堂、2階には制作ルームが入っていた建物で、掲載した映画像で言うと、青い屋根をしたプレハブ小屋である(以下、プレハブ小屋で表記統一)。

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上2枚:特写より(左:特① 右:特②)
下:2012年4月
特写①は、『仮面ライダー』第16話「悪魔のレスラー ピラザウルス」、及び第17話「リングの死闘 倒せ!ピラザウルス」制作時、プレハブ小屋西側で撮られたスチール。
ここに写るのは、第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」(1971年5月15日)放送分から開始された「仮面ライダーと共演の小学生募集」で選ばれた子供たち(出演は、第16話、及び第17話におけるプロレス観戦シーン)。
この案件は、1971年5月15日(土)付の「毎日新聞(夕刊)」でも告知されており、以下のように記されている。
「役柄は、主人公の仮面ライダーにからむ子供の役で、特に演技面でのむずかしさはなく子供の地のままで演じられる。出演する子供は、小学生に限られている以外は、とくに資格を問わない。(中略)撮影は毎週日曜日東京でおこない、七月第四週放送分から随時出演(一人一回)してもらう」(中略を除き、原文まま)
尚、第16話は7月17日の放送で、実際には第3週目であり、更に言うと、東京ではなく神奈川での撮影である。
特写②に写るのは、同所で撮られた『超人バロム・1』第12話「魔人キノコルゲはうしろからくる!」から登場する、マッハロッドの便宜上Bタイプと呼ばれるタイプ。
ここで、右の窓部分に着目してみると、白い木枠で作られた掲示板のようなものが確認出来る。
これは、『アクマイザー3』制作時、スタッフルームの南東角に設けられていたものと非常に酷似している(Phase082参照)が、この掲示板が移されたのか、更に同じ型のものが作られたのかは残念ながら定かでない。

ここで余談・・・。

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上2枚:『変身忍者 嵐』第1話より
特写②をよく見てみると、左側の窓越しに『変身忍者 嵐』の主人公・嵐のスーツが二着確認出来る。
上掲したのは、その嵐の変身シーン。
「変身忍者嵐は、その刀の鍔に特殊な振動を受けると、脳神経が異常活動を始め、体の細胞配列を変えることによって変身するのだ!」
劇中、中江真司のナレーションが被り、ハヤテ(演/南城竜也)の前に、無数の羽根が舞い上がる。
実は、これ・・・。
「当時、うちには養鶏場があったんです。ある日、学校から帰ってきた時、スタッフが落ちている鶏の羽根を袋一杯に集めていたので、「何に使うの?おじちゃん」と訊ねてみると、「嵐っていう忍者の変身に使うんだよ」って教えてくれました。はっきりと憶えています」
そう述懐されるのは、𡈽方進一氏。
ご存知の方も多いと思うが、嵐のデザインは、鉄仮面から最終的には鷲をモチーフしたものへと昇華されている。
しかし、その変身シーンに使用されたのは、養鶏場で飼われていた鶏の羽根だったというのだ。

閑話休題。
まずは、1階東側にあった食堂から―。

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上2枚:『仮面ライダーX』第3話より(左:映① 右:映②)
『仮面ライダーX』第3話「暗殺毒ぐも作戦!!」冒頭、水城涼子(演/美山尚子)は、バイクで走行中の神敬介(演/速水亮)に発砲するも失敗、高架下の工事現場へと逃げ込む・・・(映画像①)。
当シーンにおいて、ここまでは西新宿でロケが行われているが、次のカットからは明らかに同所とは思えないプレハブ小屋が映し出され(映画像②)、待ち伏せをしていたGOD戦闘工作員との戦闘シーンとなる。

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上2枚:『仮面ライダーX』第3話より(左:映③ 右:映④)
銃弾から身を伏せる神のカットが、、スタッフルーム南側を捉えた映画像④。
映画像③と見比べてみると、入口脇に置かれたネコ車を手前に、部屋の中から撮影されたことが分かる。
映画像②、及び③は、プレハブ小屋1階にあった食堂の北側出入口を捉えたアングルである。

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上2枚:『仮面ライダーX』第3話より
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上2枚:『仮面ライダーX』第3話より(右:映⑤)
ヘルメットなど、それらしい小道具も用意されているが、工事現場の寄宿舎と言われても何ら違和感の無い、まさにプレハブ小屋であったことが分かる(映画像⑤は、食堂内の西側)。
尚、映像からも明らかなように、簡易な流し台、給湯器(Rinnaiの手動圧電着火式イカ型給湯器)、更には珈琲の自販機(一杯50円)、テーブルがあっただけで、食堂と言うよりは、寧ろ休憩場といった趣があったのかもしれない。

ここで、一つ非常に気になる映像があるので、取り上げたいと思う。

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上2枚:『アクマイザー3』第30話より(左:映⑥ 右:映⑦)
それは、『仮面ライダーX』第3話から約二年後に放送された『アクマイザー3』第30話「なぜだ?! 眠る少女の謎」から。
ハリスフィンクスは、プレハブ小屋の北側を西から東へ向かって走っている。
まず右手に見えるのは、1階西側にあった衣装部屋(映画像⑥)。
そして、映像では、間髪入れずに段差が出現(映画像⑦)。
明らかに二棟のプレハブ小屋が存在したかのように見えないだろうか。
これまで種々の情報から当プレハブ小屋の1階は、内部で間切りされ、西側に衣裳部屋、東側に食堂が存在し、2階は全て制作ルームだったと考えていた。
冒頭に示した『仮面ライダーアマゾン』第16話の映画像を見ても、そう考えるのが妥当であろう。
一体、どういうことだろうか?

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上2枚:『アクマイザー3』第30話より
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上2枚:『アクマイザー3』第30話より
続いてハリスフィンクスは、東側のプレハブ小屋の前を走り過ぎ、2階へと続く階段を駆け上っていく。
西側のプレハブ小屋が西角に出入り口、その東側に窓が一つあったのに対し、これら四枚の映画像を見てみると、東側のそれは、出入り口を挟み、左右に窓が一つずつ設置されていたことが分かる。
ここで、映画像②と比較すると、この東側のプレハブ小屋が食堂だったことが分かる。
やはり、一棟のプレハブ内で間切りされていたわけではなかったのだろうか。

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上2枚:『アクマイザー3』第30話より
ここに掲載したのも、『アクマイザー3』第30話の同シーンから。
この映画像からも、隙間は僅かではあるものの、明らかに二棟のプレハブ小屋が存在していたことが分かる。

因みに、1971年1月23日、東映(東京制作所)と「細山スタジオ」との間で交わされた賃貸契約書には、このプレハブ小屋の記載は無く、且つ特写①の存在を考えれば、『東映生田スタジオ』開設間もなくして建てられたことは明らかである。

真相は如何に―?
結論を述べると、現在、視聴可能な全ての『東映生田スタジオ』作品、或いは閲覧可能なあらゆる関連書籍を調べてみても、明確な解答は得られていない。
しかしながら、愚生なりにある一つの結論に達しており、その点について以下に考察を示してみたいと思う。

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上2枚:『アクマイザー3』第30話より(左:映⑧)
掲載した映画像は、同じく『アクマイザー3』第30話において、ガブラが少女ネム(演/鈴木真代)の隔離場所へ乗り込み、ハリスフィンクスと闘うシーン。
ここは、その直前のシーン、及びカットから、明らかにプレハブ小屋の2階、且つアングルは西側を捉えていると分かる(右側の窓の外に見えるのは、スタッフルーム2階の窓)。
ここで注目すべきは、非常ベルが嵌められている白いパネルの左右の違いについて。
一目瞭然、向かって右側には窓が設置されているのに対し、左側には窓どころか板壁もなく、奥行きが認められるではないか。

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上:『アクマイザー3』第30話より
これは、映画像⑧左部分をアップにしたもの。
明らかに刳り貫かれているのが分かる。
しかも、それだけではない。
単に刳り貫かれただけだと、東側から見れば、西側の灰色をしたプレハブ部材が見えるはずが、ガラス窓になっているではないか。

つまり、こうは考えられないだろうか。

◇『東映生田スタジオ』開設間もなくして東側のプレハブ小屋が建てられた(特写①は、その時期に撮られたものである)。
◇その用途は、一貫して食堂であった。
◇やがて、西側の衣裳部屋が、東側の食堂に隣接するように建てられた(最初から建てられたのであれば、映画像⑤にあるように、食堂西側に窓を設ける意味がない。つまり、特写①に写る窓は、映画像⑤に写る窓である。特写①+衣裳部屋=特写②)。
◇2階は、東西ともに制作ルームとして使用された(『アクマイザー3』第30話制作時には、東側は半ば物置になっていたようにも見えるが・・・)。
◇2階については、東側プレハブから西側プレハブへ通ずる部分が後に確保された(西側増設に伴い、苦肉の策として刳り貫かれた)。
◇2階東側の窓ガラスの正体は扉(増設に伴い、最初から設計された)。
◇西側のプレハブ小屋増設に伴い、屋根も拡張された(冒頭の映画像をよく見てみると、手前1/3の屋根瓦の色が僅かに異なっているように見える)。

以上が、現段階での結論である。

基本は独立した二棟のプレハブ小屋であったものの、2階部分は往来が可能で、屋根も一つであったことから、「仮面ライダーSPIRITS 受け継がれる魂Ⅱ」(講談社 2003年)など、関連書籍では一棟の建屋として記載されたのではないだろうか。
また2階部分へのアプローチとしては、東側プレハブ小屋脇に設けられた階段以外にはなかったと思われる。
スペースから鑑みて、設置は実質不可能だったのではないだろうか。
二階部分の刳り貫きは、そのためだったと解釈すれば合点がいくと思うのだが。

以上、私論を記述したが、決定的な確証を得ておらず、これはあくまで憶測の域。
しかも、何故、幅を統一しなかったかについては全く解けていない。
今後も、この真相については調査を続けていく次第である。

尚、このプレハブ小屋については、『東映生田スタジオ』㉑を設け、もう少し触れてみたいと思う。


(謝辞)
今回も、決して公には語られることのない貴重な逸話を披露してくださった𡈽方進一氏。
この場を借りて、熱く御礼申し上げます。
有難うございました。


(主参考文献)
「毎日新聞(夕刊)」(1971/5/15発行)

(映画像掲載作品)放映順
『変身忍者 嵐』第1話「猛襲!! 怪魚忍者毒うつぼ」(1972/4/7放送)
『仮面ライダーX』第3話「暗殺毒ぐも作戦!!」(1974/3/2放送)
『仮面ライダーアマゾン』第16話「ガランダーの東京火の海作戦!!」(1975/2/1放送)
『アクマイザー3』第30話「なぜだ?! 眠る少女の謎」(1976/4/27放送)


Phase109 End


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Phase094『東映生田スタジオ』⑲ 【(G)階段①】PartⅢ

今回は、階段①(Phase025参照)南側の考察から始めたいと思う。

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左:『どっこい大作』第26話より
右:2013年12月
「第一装美社」へと向かう大作(演/金子吉延)が、階段前を駆け抜ける直前のカット。
映画像左に、Phase004ほかで取り上げた坂道が確認出来る。
Phase092にも掲載した『どっこい大作』第26話「ゴメンよ!! 母ちゃん!!」でのワンシーン。

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左:『イナズマン』第15話より
右:2010年9月
掲載した映画像は、『イナズマン』第15話「影をくわれたお母さん」で、予知能力を持つ少年・松本タカシ(演/梶正昭)が、自分が襲われることを母・ノブコ(演/北川めぐみ)に話すも信じてもらえず、家を飛び出したシーン。
階段前から南側を捉えたアングル。

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左:『イナズマン』第15話より
右:2010年9月
『イナズマン』第15話で、酔っ払いのサラリーマン(演/生田一夫)がカゲバンバラに惨殺された現場。
暗渠を構成していた木柱は、現在、コンクリート、およびアスファルトにその役目を譲っている。

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上左:2009年11月
上右:2010年9月
下:2012年4月
階段南側に放置されている木製の遺物。
確証を得られているわけではないが、その形状、朽ち果てた状態から察するに、おそらく当時、暗渠を構成していた木柱の一部と思われる。
因みに、岡村氏(Phase025参照)によると、「当時、この下には『よみうりランド』方面からの汚水が流れていて、それは酷い臭いだった。そこで、彼が木の板でこの上を覆ってくれたんですよ」とのこと。
彼とは、内田有作のことである。
つまり、少なくとも「大映生田スタジオ」期までは開渠の状態だったということとなり、『女三四郎 風の巻』(1970年/大映テレビ室・東京12チャンネル)の映像に、その姿が収められている可能性は無きにしも非ずではないだろうか。

次に、階段の北側に注目してみたい。

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左:『仮面ライダー』第39話より
右:2011年11月
掲載した映画像は、『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」における実験用狼男との戦闘シークエンス。
アングルは、スタッフルーム南側から階段前北側を捉えている。

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上2枚:『仮面ライダー』第39話より
下:2012年7月
『仮面ライダー』第39話で、実験用狼男が放つミサイル弾から身をかわす一文字のカットも、階段前北側で撮影された。
ちょうどこの辺りに赤いドラム缶が置かれていたことになる。

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左:『好き!すき!!魔女先生』第16話より
右:2012年7月
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」では、教頭先生(演/牧冬吉)が海賊(演/佐野房信)を退治する場所として使用された。

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上:『フィンガー5の大冒険』より
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上:2009年11月
映画『フィンガー5の大冒険』(1974年3月21日公開の「東映まんがまつり」における一作品)における、全ガキ連がバスケットボールの特訓をするシークエンスでも階段北側が確認出来る。
因みに・・・。

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上:『フィンガー5の大冒険』より
同映画では、監督を務めた石森章太郎一家も出演。
次男・章氏は、『イナズマン』に登場する少年同盟員のユニフォームを着ての登場。
更には、突然、仮面ライダーV3が現れ、ダンク・シュートを決める。

閑話休題。

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左:『仮面ライダー』第39話より
右:2012年7月
前述『仮面ライダー』第39話における実験用狼男との戦闘シーンでは、赤いドラム缶が置かれていた階段北側から南側を捉えたアングルも確認出来る。

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上:『仮面ライダー』第39話より(映①)
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上:特写より(映②)
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右:2012年7月
映画像①は、スタッフルームの階段上からその赤いドラム缶を捉えたアングル。
そして、その階段前北側に停められた、『超人バロム・1』に登場するマッハロッドをスタッフルーム階段上部から撮影したのが映画像②。
特写の中では、岡村氏仰るところの「この上を覆ってくれた」木柱が、最も明確に記録された一枚と言えよう。
それにしても運転席の補修跡が実に痛々しい・・・。

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上2枚:『仮面ライダー』第26話より
『仮面ライダー』第26話「恐怖のあり地獄」開巻部、カップルが乗る車が砂にタイヤを取られるシークエンスは、おそらくこの階段北側のスペースで撮影されたと思われる。
これ程の砂を運ぶといった手間、そして、後片付けを考慮した場合、当シーンの撮影ために、わざわざスタジオを離れる必要があったであろうか?という疑問が湧く。
実際の撮影では、車の下に台が置かれ、手前に砂を積む(地面に直接かどうかは不明)ことによって、それを見えなくしているのではないだろうか(映像上、高低差が明らかに不自然)。
そして、カメラを地面に近い位置にセットし、このシーンは撮影されたものと推測する。

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左:『仮面ライダー』第39話より
右:2012年4月
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左:『仮面ライダー』第39話より
右:2013年12月
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上:2008年11月
カメラ位置は異なるが、何れも階段前北側にある電信柱が記録されている。
当時のものからは既に改修されているものの、そこに付されたナンバリングには、今も残る「東映支」の文字。
これまで此処を訪れた方であれば、必ず注目したであろう。

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上2枚:『仮面ライダー』第15話より(右:映画像③)
下:2010年9月
こちらは憶測の域を脱し得ないが、『仮面ライダー』第15話「逆襲サボテグロン」におけるサボテン爆弾が爆発するカットは、階段前北側で撮影されたと思われる。
下に板が敷かれているようにも見えるが、正体は前述ドブ川を覆っていた木柱ではないだろうか。

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上左:2010年4月
上右:2010年9月
下:2012年4月
当時、『東映生田スタジオ』で出た廃棄物は、スタジオ西側に設けられた焼却炉で処分されていた。
しかしながら、その灰、或いは不燃物の一部は、時に階段が設置されている、藪笹が生い茂る斜面脇に投棄されることもあったのではないだろうか。
現に、前掲した映画『フィンガー5の大冒険』の映画像を見ると、斜面脇に散乱する廃棄物が確認出来る。
また映画像③に写るものではないが、事実、この斜面には、黒焦げたスチロールの塊と何かの残骸(これも燃焼痕あり)が埋もれていたりする。
「これは、間違いなく当時のものですね」とは箕輪氏の証言だが、撮影に使われたものの一部なのか、或いは『東映生田スタジオ』時代のものなのか、「C.A.L」期のものなのか、その正体、用途は全く不明だが、少なくともスタジオに関連したものということだけは確かなようである。

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左:「TV Magazine Hero Graphic Library ② KAMEN RIDER」より
右:2009年11月
左に掲載したのは、「C.A.L」が撤収する直前の1995年初冬、階段中段辺りを撮影したもの(「TV Magazine Hero Graphic Library ② KAMEN RIDER」(1995年/講談社)より転載)。
少なくとも「C.A.L」期末期には、簡易な木製の手摺りが設置されていたことが分かる。
『仮面ライダー』第2話「恐怖蝙蝠男」制作時(1971年2月)には、階段上部にのみ鉄パイプの手摺りが設置されていたが、どの段階で階段中程に木製の手摺りが備え付けられたのかは定かでなく、また上部~下部にかけて鉄パイプとなったのか、その変遷の詳細については解明出来ていない。

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上:2012年12月
あたかもショッカーのアジトへ誘うかのような雰囲気。
怪人や戦闘員が、何時現れてもおかしくない・・・、おかしくなかった。

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上:2015年9月
近年、その様相は一変、ステップまでもが大きく変貌を遂げてしまっている。

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左:特写より
右:2012年7月
全ての伝説は、この二人の改造人間の闘いから始まった・・・。
再開発の案件が出された際、この階段も当然取り壊しの対象になったという。
箕輪氏によると、近隣住民の中には「ここは、『仮面ライダー』の聖地だ!」と、強く反対された人もいらっしゃったという。


(主参考文献)
「TV Magazine Hero Graphic Library ② KAMEN RIDER」(1995年/講談社)

(映画像掲載作品)放映順
『仮面ライダー』第26話「恐怖のあり地獄」(1971/9/25放送)
『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」(1971/12/25放送)
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」(1972/1/16放送)
『どっこい大作』第26話「ゴメンよ!! 母ちゃん!!」(1973/7/9放送)
『フィンガー5の大冒険』(「東映まんがまつり」(1974/3/21公開))
『イナズマン』第15話「影をくわれたお母さん」(1974/1/8放送)


Phase094 End


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Phase093『東映生田スタジオ』⑱ 【(G)階段①】PartⅡ


093002 S093004
左:『好き!すき!!魔女先生』第16話より
右:2007年12月
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」で、月ひかる(演/菊容子)とバル(声/牟田悌三)が教頭先生(演/牧冬吉)を待ち伏せしていたのは、階段北側の笹薮の中。

093004 S093005
左:『超人バロム・1』第21話より
右:2010年9月
『超人バロム・1』第21話「魔人クチビルゲがバロム・1を食う!!」では、浩太(演/川口英樹)とチャコ(演/南陽裕子)の兄妹が参加した町内肝試し会の道中カットが、当階段で撮影されている。
無論、手前に映る竹林はセット。

093005 S093006
左:『イナズマン』第15話より
右:2010年9月
093003 S093009
左:『イナズマン』第15話より
右:2010年12月
『イナズマン』第15話「影をくわれたお母さん」では、酔っ払いのサラリーマン(演/生田一夫)がカゲバンバラの犠牲になるシークエンスが、当階段周辺で描かれた。

093006 S093010
左:『イナズマンF』第18話より
右:2011年11月
『イナズマンF』第18話「レッドクイン 暗殺のバラード」では、飛鳥夕子(演/八代順子)が回想する、母親(演/上野綾子)らがハンマーデスパーの犠牲となるシーンで使用された。

093007 S093015
左:『仮面ライダーX』第19話より
右:2010年9月
093008 S093017
左:『仮面ライダーX』第19話より
右:2010年9月
『仮面ライダーX』第19話「ゆうれい館で死人がよぶ!!」では、嵐の夜、アベックが不気味な洋館に迷い込むシーン、及びオカルトスの犠牲となったガードマンの遺影の背景に、この階段が使用されている。

093009 S093019
左:『透明ドリちゃん』第12話より
右:2013年12月
同じ劇中写真でも、こちらは随分と趣が違う。
『透明ドリちゃん』第12話「愛が守った約束」では、青山家のアルバムに収められている、かつて迷子になった虎男(演/安藤聖一)を救った青年・ヒロシ(演/伊東幸雄)の写真の背景に使用されている。

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左:『アクマイザー3』第30話より
右:2010年9月
制作順は多少前後するが、掲載した映画像は、『アクマイザー3』第30話「なぜだ?!眠る少女の謎」において、兵士アグマーから少女ネム(演/鈴木真代)拉致の報を受け、その隔離場所へと向かうハリスフィンクスのシーン。
映画像左に写るのは、2階に制作ルームが入っていた建物で、この直前の戦闘シーンでは、実際に何処かの工事現場で撮影が行われており、その流れでこのプレハブ然とした建物が上手く使用されている。

093011 093012
S093022
上左:『仮面ライダー』第39話より
上右:『超人バロム・1』第9話より
下:2010年9月
階段中~下段からスタジオ敷地内を見た俯瞰アングル。
『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」では、五郎(演/三浦康晴)を救出した後、実験用狼男と対峙する一文字らのカットが撮影された。
また、『超人バロム・1』第9話「冷血魔人クモゲルゲ」では、ドルゲ細胞のテスト用に、市井の人々がクモゲルゲに地下のドルゲ洞に次々と引き摺り込まれるシーンの一部が撮影されている。
現在、アスファルトが張られている部分の東側(写真では上部)と西側(写真では下部)では、明らかに舗装状態が異なるのが分かる。
この西側部分の下には下水が流れており、地盤の悪さが影響してか、ひび割れ、凹凸が顕著。
当時は木板による暗渠を形成、『超人バロム・1』第9話の映画像を見ると、右側に木板が僅かに写り込んでいるのが分かる。


次Phaseも、周辺を含めたこの階段を考証してみたいと思う。


(映画像掲載作品)放映順
『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」(1971/12/25放送)
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」(1972/1/16放送)
『超人バロム・1』第9話「冷血魔人クモゲルゲ」(1972/5/28放送)
『超人バロム・1』第21話「魔人クチビルゲがバロム・1を食う!!」(1972/8/20放送)
『イナズマン』第15話「影をくわれたお母さん」(1974/1/8放送)
『イナズマンF』第18話「レッドクイン 暗殺のバラード」(1974/8/20放送)
『仮面ライダーX』第19話「ゆうれい館で死人がよぶ!!」(1974/6/22放送)
『アクマイザー3』第30話「なぜだ?!眠る少女の謎」(1976/4/27放送)
『透明ドリちゃん』第12話「愛が守った約束」(1978/3/25放送)


Phase093 End


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〇ロケ地紹介などで掲載する写真の中には、経年の結果、撮影時とは更に変貌を遂げている箇所があります(参考までに撮影年月を記載します)。



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Phase092『東映生田スタジオ』⑰ 【(G)階段①】PartⅠ

(B)防護壁から北へ僅かに行った場所に、隈笹が生い茂る斜面を、芸術的な湾曲を示した階段が伸びている。

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上:特写より
スタジオがあった場所と多摩美2丁目の住宅街を結ぶもので、『仮面ライダー』第1話「怪奇蜘蛛男」クランク・イン直後に、パブリシティ・スチール用として〝仮面ライダー対蜘蛛男〟を始めとする一連の特写が撮影された場所として有名。
尚、これら特写の露出度は比較的高いものの、関連書籍の中には、第1話のワン・シーンとして誤って紹介しているものもある。

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左:『仮面ライダー』第2話より
右:2006年5月
映像の初出は、『仮面ライダー』第2話「恐怖蝙蝠男」。
本郷(演/藤岡弘)からの連絡を受け、蝙蝠男の人体実験場であるマンションへと向かう立花藤兵衛(演/小林昭二)のカットが撮影された。
掲載した映画像をよく見ると、既にこの頃から、階段上部にのみ鉄パイプ状の手摺りが備えられていたことが分かる。

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上2枚:『仮面ライダー』第39話より
下:2008年12月
『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」では、実験用狼男に浚われた、早瀬久美子(演/茂木みゆき)の替え玉・五郎(演/三浦康晴)を、一文字と滝が救出するシーンが描かれた。
比較的全容が記録されているのは、『仮面ライダー』においてはこの2エピソードである。

まずは階段下段、およびその南側に注目したい。

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左:『仮面ライダー』第2話より
右:2010年9月
左の映画像は、『仮面ライダー』第2話「恐怖蝙蝠男」からで、上掲したした映画像のファースト・カット。
階段を上る立花藤兵衛を見詰める緑川ルリ子(演/真樹千恵子)のアップと共に、階段下段で撮影された。

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左:『仮面ライダー』第43話より
下:2010年9月
掲載した映画像は、階段下段部分。
『仮面ライダー』第43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」では、滝(演/千葉治郎)が、プラノドンの突風攻撃を受け倒れ込むシーンが描かれた。
尚、この階段を初めて目にした2004年4月、下段ステップの一部は当時のものとは既に異なっており、更に下部二段はその原形を留めていなかった。

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上左:『仮面ライダー』第43話より(映①)
上右:『仮面ライダー』第47話より(映②)
下:2011年10月
『仮面ライダー』第47話「死を呼ぶ氷魔人トドギラー」では、開巻部、老人(演/今村原兵)がトドギラーの冷凍シュートの犠牲になるシークエンスが、当階段前で描かれた。
この直前、ユリ(演/沖わか子)らがサッカーに興じるシーンは、多摩美1丁目の住宅街にあった空き地(Phase032参照)で撮影されているが、やはり大量の偽雪を降らせることは出来ず(迷惑、後処理の問題など)、当所が使用されたと思われる。
その意味では、第43話も同様ではないだろうか。
この直前までは元町公園で撮影されているが、プラノドンが放つ強風を表現するために大型の扇風機を用いており、飛散する落ち葉の後処理は勿論、園内の木々にダメージを与える可能性を考慮しての選択と推測する。

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上2枚:『仮面ライダー』第43話より(左:映画像①のアップ)
ここで、映画像①に注目したい。
薮笹(プラノドンの右手の上)に空き缶が置かれているのが分かる。
スタッフが置いたものかどうかは不明だが、この空き缶は、強風に苦しむ一文字隼人(演/佐々木剛)のカットにも映り込んでいる。

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左:『仮面ライダー』第43話より
右:2010年12月
この後、数カットが挿入されるが、上掲映画像のに写る草が、一文字の変身カットにも確認することが出来る。

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左:『仮面ライダー』第47話より
右:2011年10月
第47話で、ユリらの元に駆けつける一文字のカットも、階段脇での撮影。
映画像左に写る、側溝の蓋に用いるようなコンクリート塊が映画像②でも確認することが出来る。

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左:『好き!すき!!魔女先生』第16話より
右:2007年12月
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上2枚:『好き!すき!!魔女先生』第16話より
下:2013年12月
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」では、二人の息子の前で醜態を曝したため、愛想を尽かされた教頭先生(演/牧冬吉)に対し、月ひかる(演/菊容子)とバル(声/牟田悌三)が魔法を使って自信をつけさせるシークエンスンが、階段周辺で描かれた。
掲載した映画像は、バルが魔法で出した海賊(演/佐野房信)と対峙する教頭先生。

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左:『どっこい大作』第26話より
右:2011年10月
『どっこい大作』第26話「ゴメンよ!! 母ちゃん!!」では、大作(演/金子吉延)が階段前を駆け抜け、「第一装美社」(ロケに使われたのはスタッフルーム)へと向かう。

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上:『フィンガー5の大冒険』より
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上:2013年12月
掲載したのは、諸般の事情から『東映生田スタジオ』が制作を担うこととなった映画『フィンガー5の大冒険』(1974年3月21日公開の「東映まんがまつり」における一作品)のワン・シーンで、全ガキ連がバスケットボールの特訓をする場面。
映画像左側には、平台の一部か、木箱が徐に積まれているのが分かる。
ある意味、貴重な映像と言えるだろう。


『東映生田スタジオ』作品には、この階段周辺が使用されたシーンやカットが他にも多数あり、次回Phase093でも取り上げたいと思う。


(映画像掲載作品)放映順
『仮面ライダー』第2話「恐怖蝙蝠男」(1971/4/10放送)
『仮面ライダー』第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」(1971/12/25放送)
『好き!すき!!魔女先生』第16話「ゴキブリ父ちゃん! 怪人レスラーもビックリ」(1972/1/16放送)
『仮面ライダー』第43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」(1972/1/22放送)
『仮面ライダー』第47話「死を呼ぶ氷魔人トドギラー」(1972/2/19放送)
『どっこい大作』第26話「ゴメンよ!! 母ちゃん!!」(1973/7/9放送)
『フィンガー5の大冒険』(「東映まんがまつり」(1974/3/21公開)にて上映)


Phase092 End


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Phase089『東映生田スタジオ』⑯ 【(F)スタッフルーム】PartⅤ

「便所掃除をしたこと有るか!?俺はしたぞ、便所掃除もしないで何が判る!」
(「仮面ライダー名人列伝~子供番組に奇蹟を生んだ男たち~」(平山亨 1998年/風塵社)より)

平山亨によると、内田有作の決め文句はこうだったという。

〝便所掃除〟・・・、というわけで、今回は、暫くペンディングをしていたトイレを中心に、『東映生田スタジオ』スタッフルーム2階について、考察を試みたいと思う。

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左:スタッフルーム立面図より
右:『アクマイザー3』第30話より(映①)
スタッフルーム2階トイレについて、Phase082では、当時の立面図(東側(記載は、北)を捉えたもの)に記載はあるものの、同アングルを捉えた『アクマイザー3』第30話「なぜだ?! 眠る少女の謎」では、その存在が認められないと記述した。

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上:『アクマイザー3』第30話より
しかし、ここで訂正したいと思う。
上に掲載したのは、映画像①の右上部分をアップにしたもの。
よく見ると、陰影があり、凸面を形成していたことが分かる(右端の白い部分が出っ張りの部分)。
更にその下部には、白い円筒状のものが伸びており、上掲した立面図とも位置する。
外観であれ、ここが、そしてこれが、『東映生田スタジオ』作品で唯一記録された2階トイレである。

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上:スタッフルーム平面図(2階)より(図①)
これは、2015年12月、𡈽方邸において、立面図(Phase082参照)などと共に発見された、スタッフルームの間取りを記した平面図(2階)。
製作は、「細山スタジオ」開設時である。
これを見ると、2階東側にあったのは、紛れもなくトイレ。
1階部分と合わせて、内田有作はここを掃除し、「便所掃除をしたこと有るか!?俺はしたぞ、便所掃除もしないで何が判る!」と、決めゼリフを吐いていたのだろう。
また階段を上がり、ドアを開けると、トイレまでは、1階にはなかった廊下が伸び、南側には三畳の部屋が4部屋、北側には六畳の部屋が4部屋あったことが分かる。
しかし・・・。

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上:スタッフルーム1階概略図(作図/hide男)
上に示すのは、「仮面ライダーSPIRITS~受け継がれる魂Ⅱ~」(2003年/講談社)に掲載された「完全図解 これが生田スタジオだ!」(監修/内田有作)より2階部分を改編・作図したものである(部屋割りは改編なし)。
トイレは省略されているが、これによると、南側は壁もなく布団部屋だったように記されている。
すると、ある時を境に、三つの壁はぶち抜かれたのだろうか?

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上:『東映生田スタジオ』水道工事関連資料(資①)
答えは、否である。
Phase086でも紹介したように、内田が『東映生田スタジオ』を去った後の1976年12月13日付で作成された水道工事の関連資料を見ると、スタッフルーム2階南側は、壁を有する四部屋で構成されていたことが分かる(部分)。
但し、これら四部屋が全てそうだったのかは不明だが、少なくとも何部屋かは、スタッフらの仮眠、宿泊時に用いられた布団の収納部屋だったと思われる。

では、北側はどうだったのだろうか。
時期によって違いがあった可能性もなくはないが、残念ながら具体的な証言や資料を得ておらず、やはり内田の記憶に頼りたい。
但し、西側から二部屋目については少し考察してみたいと思う。

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左:スタッフルーム平面図(2階)より(図②)
右:『東映生田スタジオ』水道工事関連資料(資②:資料①のアップ)
左は、1970年末以前、𡈽方工作氏によって記されたスタッフルーム2階の間取り図。
その北側真ん中二部屋を見てみると、「化粧室A」「化粧室B」という記載が確認出来る。
また資料②は、資料①の部分をアップにしたもので、北側左から二部屋目に「化粧室」という記載が見受けられる。
内田が所長として采配を振るっていた際、キャスト陣の控室として機能していたのは、その左隣がメインキャスト陣の控室として記憶していることからも、おそらく間違いないだろう。
しかし、例え一時期にしろ、そこは化粧室、つまりメイク室だったこともまた事実。
或いは、控室、兼化粧室という役割を果たしていた時期があったのかもしれないが、真相は薮の中。
更には、Phase086で触れたように、1階事務室の一角にメイクをする場が設けられた時期があったのかもしれない。
今後の新証言、新たな資料の発見に期待したい。
因みに、言うまでもないが、資料②の右端にある出っ張りはトイレである。

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上:特写より(「メーキング・オブ・東映ヒーロー1」(1987年/講談社)より転載)
上掲したのは、『変身忍者 嵐』制作時、出演に備えメイクを行っているタツマキ役の牧冬吉。
転載元の「メーキング・オブ・東映ヒーロー1」には、「場所は、東映生田スタジオ」と記されている。

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上2枚:『超人バロム・1』第16話より
それを踏まえると、『超人バロム・1』第16話「魔女ランゲルゲは鏡に呪う」における「桜田バレー教室発表会」会場の楽屋シーンは、おそらく同所、つまり『東映生田スタジオ』の化粧室(メイク室)が使用されたと思われる。
会場外観、及び周囲は、多摩区南生田にある『明治製菓記念館(洗心寮)』が使用されているが、当シーンはスタッフルームの化粧室(メイク室)、会場ブリッジ部分でのバロム・1とランゲルゲの戦闘シーンは第2ステージ(若しくは第1ステージ)と、『東映生田スタジオ』内での撮影と推測する。


それにしても何故、内田有作は、決めゼリフに〝便所掃除〟という言葉を使用しながらも、監修を手掛けた「仮面ライダーSPIRITS~受け継がれる魂Ⅱ~」掲載「完全図解 これが生田スタジオだ!」にトイレの記載を怠ったのだろうか・・・。


(謝辞)
掲載しました『東映生田スタジオ』水道工事関連資料は、箕輪広実氏より寄贈頂いたものです。
氏には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。


(主参考文献)
「メーキング・オブ・東映ヒーロー1」(1987年/講談社)
「仮面ライダー名人列伝~子供番組に奇蹟を生んだ男たち~」(平山亨 1998年/風塵社)
「仮面ライダーSPIRITS~受け継がれる魂Ⅱ~」(2003年/講談社)

(映画像掲載作品)放映順
『超人バロム・1』第16話「魔女ランゲルゲは鏡に呪う」(1972/7/16放送)
『アクマイザー3』第30話「なぜだ?! 眠る少女の謎」(1976/4/27放送)


Phase089 End


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hide男

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東映生田スタジオと同作品ロケ地研究の場です。

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