Phase014 【ロケ地】川崎市麻生区多摩美/多摩美界隈③PartⅠ


今回は、『仮面ライダー』第76話「三匹の発電怪人シードラゴン!!」で、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたタバコ屋周辺について―。
ショッカーは、少年ライダー隊のナオキ(演/矢崎智紀)らが通り掛かるのを待ち伏せ、店頭で「アメリカから輸入した」「安くしとくよ、一つ200円だよ」「もう三つしかないから、みんなで一つずつどう!?」と煽り、見事にその缶詰を売りつけることに成功する。
ある夜、それぞれ飼われていたモンスター(稚魚)は水槽を割り巨大化、その正体は、ショッカーの改造人間シードラゴンだった・・・。

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上4枚:『仮面ライダー』第76話より(右上:映①)
果たして、このシーンで使用されたタバコ屋の正体は?
尚、これら映画像を見ると、このお店ではタバコは勿論、パンや牛乳、簡易な玩具(これは小道具の可能性もあり)なども販売されており、萬屋的な性格を伴っていたと思われるが、ここでは以下、「タバコ屋」で統一記載する。


今回は、少し趣向を変えて、その解明に至った経緯も併せて記したいと思う。
尚、当初、『どっこい大作』の映像は入手していなかった・・・(コアなファンの方であれば、これだけで十分ご理解頂けるだろう)。


1995年に出版された「テレビマガジン特別編集 変身ヒーロー大全集」(講談社)には、『イナズマン』第4話「日本列島大爆発!!」の作品解説に、劇中、丸目豪作(演/北村晃一)がアルバイトをする「三橋パン」について、次のような記載がある。
「三橋パンは、『仮面ライダー』第76話で怪獣の卵を売っていた駄菓子屋と同一のお店である。ロケにはスタッフの御用達だったと思われる生田スタジオ近くの雑貨屋が使用されていた」(原文まま)

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左3枚:『仮面ライダー』第76話より(左下:映②)
右3枚:『イナズマン』第4話より
左右の映画像を見比べてみると、「テレビマガジン特別編集 変身ヒーロー大全集」の記載通り、二つのロケ地は同一箇所であったことが分かる。

Phase013で記したように、『かしわや』を初めて訪れた際、頭に浮かんだのは「シードラゴンのお店?」というアナログ的発想。
店の佇まい、周囲に同様のお店がなかったことがその理由である。
すぐさま柏倉さんに確認するも、その時、情けないかな、資料(本編から落としたキャプチャ画像)を持参していなかったため上手く説明出来ず、結果、ペンディング。

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上:2010年12月
結論―。
『仮面ライダー』第76話で、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたお店(『イナズマン』で言うところの「三橋パン」)は、既に現存せず、「オーロラ天文台」という建物に変わっている。

2005年3月21日、再度『かしわや』を訪れた愚生らは、前回、持参しなかったキャプチャ画像を柏倉さんに見て頂くことにした。
それが、最上段に掲載した4枚の映画像。
「これは、『かしわや』さんですか?」
すると、「違いますねぇ」と呆気ない返事。
言われてみれば、タバコの取り扱いが無いなど、目の前に佇む『かしわや』と映画像①に写るお店とは醸し出す雰囲気が随分と違う。
しかし、あれから三十年以上(訪問時)が経過しており、リフォーム、或いはレイアウトの変更といった可能性は?と食い下がるも、答えは同じ。
「この頃、明治は扱っていませんでしたから。もっと後ですね」
それが根拠だと、柏倉さんは仰った。
〝明治〟とは、映画像①に写る、冷蔵庫に記された〝Meiji〟の文字。
さすがは目の付け所が違う。
素人では到底及びもしない着眼点。
では、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたお店は一体何処にあるのか、或いはあったのか?
すると、暫く資料をご覧になっていた柏倉さんが、徐にこう仰ったのである。
「これは、母の昔の家ですねぇ。この隣にありましたよ。・・・この壁、この窓がそうですねぇ。今はもう住んでいませんし、建て替えられましたけど、間違いないですねぇ」
〝これ〟とは、店内よりナオキらを捉えた映画像②。
そのカットで、道路の反対側に写る、邸宅の茶色い壁を指示されて断言されたのである。
「ひょっとして、この近くにタバコ屋さんか何か御座いませんでしたか?」
「昔、この右斜め前にタバコ屋がありましたよ。・・・そこですねぇ、この写真。もうご主人は亡くなられて、今は別の建物が建っていますけど。・・・でも、こんな女性の方はいらっしゃいませんでしたよ」
「それ、女優さんです」
「あぁ、そうですか。・・・ちょうど、そこです」
と、まぁ、このようなやり取りの後、柏倉さんは、愚生らをそのタバコ屋があったという場所へと案内してくださった。
すると、確かに、映像から想像される、タバコ屋と柏倉さんのお母さんがお住まいになられていたという邸宅との位置関係がピタリと当て嵌まったのである。

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左:『仮面ライダー』第76話より(映③)
右:2012年9月(写①)

柏倉さんの証言を裏付けるのが、上に掲載した映画像③と写真①。
映画像③は、『仮面ライダー』第76話で、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたタバコ屋の前に到着した本郷(演/藤岡弘)らのカット。
画像左に写るのが、ブロック塀に囲まれた茶色い壁の邸宅である。
柏倉さんが仰ったように、この邸宅が、かつて柏倉さんのお母さんが住まれていた住宅だったとする。
そして、実際に案内して頂いた「オーロラ天文台」前から、その邸宅があった場所の南西角を撮ったもの(写真①)と見比べてみると、あることに気付く。
それは、写真①の右側に写る住宅。
外壁が白色に再塗装されているが、映画像③で、滝和也(演/千葉治郎)の背後に写る住宅とそっくりではないだろうか・・・、と言うより、まさに同一。
実は、この住宅は柏倉さんの住宅で、『かしわや』の北側にあたる。
「これは、私の家ですねぇ」
柏倉さんも、はっきりと仰った。
つまり、映画像③が撮られたのは、写真①を撮った場所で間違いなく、現在、本郷らの視線の先にあるのが、「オーロラ天文台」なのである。

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左:2008年12月(写②)
右:2015年9月
左は、映画像②と同じアングルで、2008年9月に撮影したもの。
初めて訪れた段階で、既にリフォームされていたが、この家屋も今は存在しない。

パイゲンC
上:「パイゲンC」景品立体ワッペン
映画像②に写るベンチは、写真②のちょうど窓の下に置かれていた。
そこに掲げられていたのは、今となっては懐かしい「パイゲンC」(明治乳業)の広告。
当エピソード放送から遡ること約一年前には、「仮面ライダーの立体ワッペンを集めよう!!」というキャンペーンも行われていた(時期によって、ワッペンの図柄は異なる)。

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上3枚:『仮面ライダーV3』第27話より
『仮面ライダーV3』第27話「生きかえったゾル・死神・地獄・ブラック」で、『かしわや』の前に続き(phase013参照)、柏倉さんのお母さん宅前を、猛毒ガス・ギラードガンマーを散布しながら通過するデストロン戦闘員。

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左:『イナズマン』第4話より(映④)
右:『イナズマン』第17話より
映画像④は、『イナズマン』第4話で映し出される柏倉さんのお母さん宅(当時)の様子。
この映画像右側に草で覆われている箇所があるが、右に掲載した『同』第17話「謎の対決!ふたりの渡五郎!!」の映画像を見てみると、その裏には映画像④に写るものよりも一回り大きい窓が設置されていたことが分かる。
そして、この映画像④が切っ掛けで、あるロケ地の解明に繋がった。

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上2枚:『仮面ライダーV3』第28話より
それが、この二枚の映画像。
共に『仮面ライダーV3』第28話「5大幹部の総攻撃!!」で、少年ライダー隊の隊員がペンダントを使って通信を行っているカット。
映像では、それぞれワン・カットのみで、パンもズームもない。
よって、具体的に何処で撮影されたのか分かり難いが、左の映画像に写る玄関先は、まさに上掲した映画像④と同じ場所。
つまり、柏倉さんのお母さん宅(当時)前で撮影されたと分かる。
一方、右の映画像の背後には、玩具のようなものが写っている。
このカットは、左のカットと同時に撮影された可能性が高く、位置的に目と鼻の先にあるタバコ屋前で撮影されたと考えるのが妥当ではないだろうか(但し、『かしわや』前で撮影された可能性もあり)。

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上2枚:『仮面ライダー』第76話より
下:2009年11月
上2枚の映画像は、シーンは異なるが、共に『仮面ライダー』第76話において、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売するお店の前から『小田急線/読売ランド前駅』がある南側を捉えたアングル。
・・・が、当初、愚生は、『東映生田スタジオ』があった北側を捉えたものだと思い込んでいた。
周囲に『かしわや』と同様のお店がなかったため、最初の段階で『かしわや』=「「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたお店」という図式が、無意識のうちにインプットされたのかもしれない。
今思えば、恥ずかしい限りだが、映像に映し出される範囲、三十数年という時の流れが齎した街並みの変貌、更には持つべきではない先入観など、様々な要因が複雑に絡み合い、至極情けない勘違いを構成したと思われる。

以上、、「怪獣のカンヅメ・モンスター」を販売していたお店=「オーロラ天文台」解明への経緯を示した。
「もっと簡単に分かっただろう!」・・・ご尤もである。
詳細は次回に示すが、他の『東映生田スタジオ』作品に目を向けていれば、もっと早く解明出来ていたに違いない。
当初は、何故かそうした発想もなく、また夫々のロケ地の位置関係が有機的に結び付いておらず、結果的には『かしわや』の店主・柏倉さんの助けを借りることとなってしまった。
しかしながら、このことが切っ掛けとなり、柏倉さんとお知り合いになれたのもまた事実。

その地に縁も所縁も無く、街並みの変貌の過程を全く知らない愚生らにとって、映像だけではロケ地解明に至らないことがやはり多い。
時を経た作品であればある程、その道のりは厳しく、あらゆる資材を用いて、あらゆる角度から、あらゆる可能性を考えなければ、その壁は崩せないのである。

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左:『仮面ライダーV3』第7話より
右:2010年12月
上に掲載した『仮面ライダー』第76話の映画像には、共にブロック塀に囲まれたドーム状のようなものが確認出来る。
既にリフォームされているが、当時も今と同じくガレージだったと思われる。
掲載した映画像は、『仮面ライダーV3』第7話「ライダーV3 怒りの特訓」で、河合博士(演/池田忠夫)の手により人口心臓移植手術で甦った山本(演/内田嵐)が、生き返るや否や再び死の恐怖に晒されたため彼を憎み、彼の妹(演/真木沙織)と息子(演/染谷利貴)を付け狙うシーン。

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左2枚:『仮面ライダーV3』第7話より
右2枚:2015年9月
直後、風見志郎(演/宮内洋)に捕まりそうになり、その場から逃走を図る山本。
2枚の映画像に写るのは、当時、『かしわや』の二軒南隣にあった「桜井荘」というアパート(現存せず)。


(主参考文献)
「テレビマガジン特別編集 変身ヒーロー大全集」(1995年/講談社)


(映画像掲載作品)放映順
『仮面ライダー』第76話「三匹の発電怪人シードラゴン!!」(1972/9/9)
『仮面ライダーV3』第7話「ライダーV3 怒りの特訓」(1973/3/31)
『仮面ライダーV3』第27話「生きかえったゾル・死神・地獄・ブラック」(1973/8/18)
『仮面ライダーV3』第28話「5大幹部の総攻撃!!」(1973/8/25)
『イナズマン』第4話「日本列島大爆発!!」(1973/10/23)
『イナズマン』第17話「謎の対決!ふたりの渡五郎!!」(1974/1/22)


(編集後記)
いつもご覧頂いております皆様方へ
暫くロケ地考証が続いておりますが、どうかご容赦ください。
このペースだと、多摩美以外のロケ地にはなかなか辿り着けそうにない・・・、何とも情けない理由のためです。
『東映生田スタジオ』の考証はじっくり腰を据えてやろうと思いますので、もう暫く多摩美界隈のロケ地考証にお付き合い頂ければ幸いです。
また、携帯電話でご覧頂いている一部の方より、画像や写真と解説文がズレて見辛いといったご指摘・ご意見を頂きました。
何れ改善したいとは思いますが、現状、記事を書くことに精一杯といったところです。
甚だ勝手を申し上げますが、PCでご覧頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。


Phase014 End



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