Phase002 「細山スタジオ」②

𡈽方氏によると、「細山スタジオ」で最初に制作されたのは、主人公・岩瀬進一をなべおさみが演じた『新婚さん旧婚さん』(1969年/歌舞伎座テレビ室・日本テレビ)。
源氏鶏太の『家庭との戦い』(1965年/新潮社)を原作としたホーム・ドラマで、1969年7月29日から同年10月28日に渡り全十四話が放送されている(毎週火曜日21時30分からの一時間枠)。

その初回放送日を鑑みると、歌舞伎座テレビ室との賃貸契約は、スタジオ開設間も無くして交わされたと推測出来るが、残念ながら具体的締結日は判明していない。
と言うのも、この歌舞伎座テレビ室との契約のみ、商起(Phase001「細山スタジオ」①参照)と関係のあったK氏なる人物が仲介役として交わしており、𡈽方氏、箕輪氏は直接関わっていないためである。

尚、その商起と関係のあったコヒナタ企画という会社が『新婚さん旧婚さん』の制作に関わっていたことから、歌舞伎座テレビ室が「細山スタジオ」を使用していた際、スタジオ名は「小日向スタジオ」と呼称されていた(下掲載台本内に記載あり)。

P00201
『新婚さん旧婚さん』第9話「内助の功というけれど」台本

『新婚さん旧婚さん』は、残念ながらDVDを始め、パッケージ化はされておらず(2017年1月現在)、フィルムが現存しているかも定かでない。

次に「細山スタジオ」で制作されたのは、「TOWN MOOK 増刊 Super Visual4 仮面ライダー」(1981年/徳間書店)などにも記載されているとおり、大映テレビ室が手掛けた『女三四郎』(1970年/東京12チャンネル)(但し、正式タイトルは『女三四郎 風の巻』)。
当作品は、主役の早乙女千秋を江波杏子が演じ、父(演/水島道太郎)の仇・飛鳥弦之介(演/佐藤 充)を倒すため、鈴鹿義秀(演/岡田英次)の下で血の出るような柔道修行を行うというもの。
毎週土曜日20時00分からの一時間枠で、1970年10月3日から同年12月26日にかけて全十三話が放送された。

P00202
『女三四郎 風の巻』第5話「爆発する竜神」台本(決定稿)

P00203
上掲『女三四郎 風の巻』第5話「爆発する竜神」台本(決定稿)内

上に掲載したのは、𡈽方氏の手元に現存する『女三四郎 風の巻』第5話「爆発する竜神」の台本(決定稿)。
注目すべきは、一頁を割き記された、スタジオへのルート地図である。
そこにある「大映生田スタジオ(大映テレビ生田スタジオ)」の文字。
関連書籍やネットで『東映生田スタジオ』について語られる際、当作品が「細山スタジオ」で制作されたということは、しばしば目にする内容である。
しかし、その制作時のスタジオ名が「大映生田スタジオ」だったということは、一般にはほぼ知られていない史実ではないだろうか。
況して実際に文字にされたものは非常に珍しく、少なくとも愚生にとっては、これが初見、且つ唯一である。

P00204
大映との賃貸契約書

これは、昨年12月に発見された、『女三四郎 風の巻』(書面では『女三四郎』)制作に伴い、大映(大映株式会社テレビ室)と交わされたスタジオ賃貸契約書。
ここで注目すべきは、その契約期間。
書面では、「昭和45年10月1日より昭和45年11月15日」と記されている。
前述したように、『女三四郎 風の巻』の初回放送日は1970年10月3日。
つまり、この日付をそのまま解釈すると、大映が「細山スタジオ」を使用し始めたのは、第1話放送開始二日前だったということになる。
結論を言うと、この釈然としない謎は今以って解けていない。
第2話、若しくは第3話ぐらいまでは別のスタジオで制作していたが、何らかの理由で継続使用が困難となってしまったのだろうか(例え制作話と放送話が異なっていても、説明はつかない)。
映像を見れば、何か解決の糸口が掴めるかもしれないが、『新婚さん旧婚さん』同様、当作品も、残念ながらDVDを始めパッケージ化はされていない(2017年1月現在)。


(主参考文献)
「TOWN MOOK 増刊 Super Visual4 仮面ライダー」(1981年/徳間書店)
「KODANSHA Official File Magazine 仮面ライダー Vol.1」(2004年/講談社)


Phase002 End


お願い&お断り
〇当ブログの記事、図版、画像などを無断で複写、複製、転載、データ化することはご遠慮願います(諸般の事情により、一部、画像処理を施してあります)。
〇当ブログ中、一部を除き、関係者の名は当時のものを記載し、敬称は省略させて頂きます。


当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。














スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

hide男

Author:hide男
東映生田スタジオと同作品ロケ地研究の場です。

当ブログは、管理人個人の趣味の範疇にあり、作品の配給元とは一切関係なく、利益を得ること、著作権を侵害する意図は一切ございません。
比較などのために引用する画像の権利は、全て原権利者に帰属します。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR